朝食があれば、コミュニケーションだって捗る。『いつかティファニーで朝食を』③

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『いつかティファニーで朝食を』の第3巻。変わらず個性豊かな登場がするほか、「朝食がコミュニケーションを円滑にしてくれる」という新たな発見もあった。今回も、面白かった部分をメモしておくことにしよう。

朝食が、相手との関係を深める一手になる

朝は前向きになれるし、頭もすっきりしている。その状態で関係性を深めたい相手と食事をすることは、良いコミュニケーションを生むきっかけになるのではと思った。

3巻の初めでは、主人公・麻里子の会社に新しく入社した菅谷との関係が描かれている。後輩にあたる菅谷に仕事を教えようとする麻里子だが、そりが合わずうまくいかない。

しかしあるとき、たまたま朝食を食べに向かったタイ料理店で菅谷と出くわす。最初は気まずかったが、常連の菅谷におすすめメニューを教えてもらったり、食べきれないメニューをシェアしたりしているうちに、少しずつコミュニケーションをとるようになる。

ほかにも、麻里子の友人・典ちゃんが恋敵と朝食を食べる羽目になる。仕方なく食事をしているうちに少しだけ分かり合うことができた二人は、朝食を食べる前よりも、ちょっとすがすがしい表情をしていた。

また、リサと米谷くんは、付き合って初めての食事で朝食へ。ふだんから米谷くんが通う店へ一緒に向かい、仲を深めている。

誰かとの関係を築く際、食事は大きなきっかけになりやすい。朝食の時間帯はポジティブな気持ちで向き合えるからこそ、良好なコミュニケーションを築いていけるのかもしれない。

Engin AkyurtによるPixabayからの画像

朝から寿司、そして名古屋メシ

第3巻は、東京近郊だけでなく、名古屋や大阪など都心を離れた場所も何店か掲載されていた。なかなか知ることのできない地方の朝食事情を知れるのはありがたい。

主人公・麻里子の友人であるリサは、彼氏・米谷君が暮らす大阪で朝ごはん。米谷君がおすすめしてくれたのは、なんと寿司だった。

大阪市・福島の『中央市場ゑんどう』は、明治から続く老舗。口の中でこぼれるような「つかむ」握り具合が特徴的な寿司だ。朝の5時から昼の14時までの営業で、朝ごはんにうってつけ。メニューはおまかせで寿司を握ってもらえる「上まぜ」が一皿5貫で1000円ほど。食べ終わったらお代わりをするシステムのようで、面白そうである。

一方、麻里子と後輩の菅谷が一緒に行ったのは、名古屋市・鶴舞駅にある『カフェレスト ラディッシュ』(※現在閉店)。なんと北海道の人気番組「水曜どうでしょう?」に登場する藤村Dのお母さんが経営している店なのだそうだ。

定番の小倉トーストを注文していたが、ザ・名古屋の朝ごはんという感じがしてとてもいい。小倉トーストはあんこのイメージがあったけど、こちらは大きい小豆がたっぷりとのっている模様。もう食べられないのが残念……

新たな朝食の価値やバリエーションを知ることができたほか、登場人物たちも少しずつ進展してきた3巻。今回紹介できなかったきしめんやきれいな三角形のサンドイッチの朝ごはんも美味しそうだった。

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フリーの編集者・ライター。食関連の書籍・雑誌・Webサイトで活動中。祖父母は定食屋、両親はレストランを経営。飲食店一家に生まれ、食の虜に。美味しい飲食店や料理、食文化・歴史・ニュースなどを発信しています。