ここ数年、実家に帰るたびに本棚を漁っては一人で盛り上がっている。自分ものではない、父の本棚だ。もちろん、許可を得て。
料理人の父がこれまでに集めてきたレシピ本や雑誌のバックナンバーを漁っては、ページを捲り、うっとりしたり、気になった箇所をメモしたりしている。食系のライターや編集をやっている身としては、勉強にもなるし、単純に興味もあるしでとっても楽しい。
特に何十年も前の雑誌は希少。書籍は古本屋で出会える可能性もあるが、雑誌は処分されることも多いし、綺麗な状態で残っていることは珍しい。父の本棚は、私に取って宝の山なのである。
あれこれ眺めていると、このときこんな料理や飲食店が流行っていたんだ、これは変わらないな、と今の環境と比べて思いを馳せたり、今や有名シェフの、駆け出しの頃のインタビューに胸が熱くなったり、とにかく感情が忙しない。
まだまだ読み切れていない雑誌や書籍の数々、すべてに目を通すまで、私の本棚探訪は続く。
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