『いつかティファニーで朝食を』④ 甘味に韓国料理、豆腐。印象的な朝ごはんシーンを振り返る

『いつかティファニーで朝食を』第4巻。主役の4人やその周りの人物がどんどん変わっていくのが感じられ、朝食はその節目としての役割を果たしている。

また、朝食自体もますます多様性を極めていて、朝食好きとしてもわくわくしながら読んだ。

食欲のない朝でも、甘味なら楽しめる

子どもの頃、寝起きで食欲がない朝でも、菓子パンやフレンチトーストなら食べられた。甘いものが食事として成立するのは、朝ごはんくらいのものである。

今回は二つ、甘い朝食が紹介されていた。一つは『近江屋洋菓子店 神田店』。朝の9時から営業しており、喫茶コーナーではイートインでの食事も楽しめる(※2020年10月30日現在クローズ中)。看板メニューは「イチゴサンドショート」、本書では「ピロシキ」や「アップルパイ」も登場した。朝から洋菓子店に行くという発想はなかったが、これは楽しそうだ。

それから、主人公の麻里子と友人の栞が行った、フルーツパーラー『果実園 目黒本店』。「フルーツサラダ」や「フルーツサンド」、「フルーツヨーグルト」などのフルーツを使った朝食が豊富に用意されている。彩り鮮やかな見た目に、気持ちよく目が覚めそうである。

別れのソルロンタン、失恋のしゃくり豆腐

麻里子、そしてその友人の典ちゃん、栞、リサの4人が楽しく朝食を食べる会から始まったこの物語。4人は高校卒業と同時に東京に出てきて、アラサーになるまで東京で暮らしてきた。しかし、第4巻では典ちゃんが地元・群馬に帰ることを決める。

そして、東京での最後の朝食となったのが、韓国料理店『赤坂 一龍 別館』のソルロンタン(牛肉や牛骨を長時間煮込むスープ)だった。24時間やっている店だからこそ、朝食でも利用できる。4人は地元も一緒で、これからもまたときどきは朝食を食べていくだろうけれど、東京での朝食会はいったん終了である。寂しさもあり、印象的な回だった。

それから、麻里子の会社の後輩・きみちゃんが失恋する回も良い。長年片思いしてきた大学時代の友人・邊見に告白し、振られてしまったきみちゃん。そんな彼女がふらりと赴いたのは箱根だった。

早朝でどの店もまだ開いていない中、豆腐屋『箱根 銀豆腐』をたまたま見つける。そこで名物「しゃくり豆腐」を購入し、食べているうちに想いが溢れ、思い切り泣いてしまうのだ。どのシーンでもずっとクールで表情を崩さなかったきみちゃんが、人目も気にせず大泣きするのを見ると、ぐっときてしまう。きみちゃんがどうか、幸せになってほしい。

今までも登場人物たちのいろいろな節目に朝食があったが、今回は一層その要素を強く感じた。今後の展開がますます楽しみだ。

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食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。