『いつかティファニーで朝食を』第5巻。今まで通り、個性豊かな朝ごはんが登場するほか、典ちゃんがニューヨーク留学を決めたり、リサが恋人・米谷くんの両親にあいさつに行ったりと、本編も大きく進んでいる。相変わらず楽しく読んだので、感想を記録。
食べることが孝行。家族と行く朝ごはん
今回は、主人公・麻里子の祖母や友人・リサの父など家族の登場も多い回だった。そして読んで改めて感じたのが、“食べることが孝行になる”ということ。
祖母が地元から東京に出てくることになり、せっかくだからと朝食に誘う麻里子。二人が今回赴いたのは、九段下『チリパーラーナイン』だった。同じく九段下にある人気ベーカリー『FACTORY』の系列店で、チリビーンズなどの豆料理を味わえる。本作では「チリボウル」、「チリビーンズトースト」を注文していた。
麻里子がトーストをほおばると、「麻里ちゃんは美味しそうに食べるね~」と嬉しそうに言うおばあちゃん。そして食べ終わると「おばあちゃんのも食べない?」と提案してくれる。そんな姿を見て、「おばあちゃんにとって私はいつまでたっても小さな孫で、ごはん食べれば食べるほど嬉しいんだ」と改めて感じるのである。
また、リサは離れて暮らしていた父に姉とともに会いに行く。しかし、いい加減な父につい冷たい素振りを取ってしまい、せっかくだから外食しようという誘いも断ってしまう。
後悔したリサは、姉と二人で父との思い出の店『永井食堂』へ。もつ煮が人気の食堂だが、朝9時から営業しており朝ごはんにもちょうどいい。思い出の定食を食べているうちに、リサは「面倒臭くてうっとおしいけど、やっぱりお父さんのこと好きだな」と思い返すのだ。
朝食文化が根づく台湾の旅
今回は海外の朝食も登場した。麻里子と典ちゃん、リサの三人は台湾旅行に出かける。
まずは麻里子の後輩・菅谷に教えてもらった豆漿(ドウジャン)の店『華山市場』。豆漿とは豆乳のスープで、中に干しエビや搾菜、油條(ヨウティアオ)と呼ばれる揚げパンなどが入っている。今は日本にも専門店が増えていて、国内で楽しむという手もあるだろう。
また、飲み過ぎた次の日は、『金峰』で魯肉飯。麻里子、典ちゃんの二人はあまり食べられないと思っていたのに、リサが元気よく食べている姿を見ると、不思議と食欲が沸いてくる。いざ食べてみると「見た目ほどがっつりしていないし、ほどよいボリューム」で、二人ともぺろりと平らげてしまった。
ちなみに台湾では、朝食を飲食店で食べたり、買ったりする人が多く、当たり前の文化のようだ。日本でももっと、朝食を食べに行く文化が定着したらいいのにと思う。
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