『いつかティファニーで朝食を』⑨ 気持ちを切り替える新・卵かけごはん、そしてニューヨーク

毎回魅力的な朝食を紹介してくれるグルメ漫画『いつかティファニーで朝食を』。第9巻は、主人公・麻里子とその親友・典ちゃんに大きな変化が訪れる。環境が変わっていく中で、朝食は気持ちを切り替えるきっかけをくれたり、新たな出発の後押しをしてくれたりする。今回も印象的な朝ごはんが多く、感想を書いておきたい。

有休で気持ちを切り替える。新感覚卵ごはん

第9巻では、これまで麻里子とともに働いてきた後輩・菅谷が退職。麻里子は菅谷のことが気になっていたものの、菅谷に彼女がいることもあり、気持ちに蓋をしていた。

しかし、いざ菅谷の送別会になってみると、気持ちがあふれ出してしまう。これまで自分の気持ちに気づかないふりをしていた麻里子が、はじめて菅谷への気持ちを認め、曲がりなりにも告白をするシーンにはぐっとくる。

翌日、麻里子は有休をとり、朝ごはんを食べに出かける。向かったのは『江ノ島小屋』。湘南の海を見渡せる定食屋だ。メニューは美味しい魚を活かした「漁師汁定食」や魚の煮汁をかけて食べる「煮汁卵かけご飯」など、おいしそうなラインナップ。麻里子はその中から、煮汁卵かけご飯を注文し、夢中で頬張る。

こんな魚の身がごろごろ入った卵かけご飯初めて!
甘くてまったりしててまぁるい味
しみる……そして包んでくれる味……
卵かけご飯って いっつも優しい……

『いつかティファニーで朝食を』⑨

送別会を思い出しながら、朝ごはんで心を満たしていく麻里子。そして気持ちを切り替え「今日はどんな一日にしようかな」と、前を向くのである。

典ちゃんがついにNY上陸。最初に食べる朝食は?

典ちゃんは、昔からの夢だった留学を果たすため、ついにニューヨークに向かう。着いて翌日、早速向かったのは、しばらく滞在するゲストハウスの管理人におすすめと教えてもらった『THE GENERAL GREEN』。美味しい朝食を食べられる人気店だ。

入念に地下鉄の乗り換えを調べ、いざ店へと向かう。日本人が誰もいない店内で、店員と会話し、見たことのないメニューを注文する典ちゃんは、充実感に溢れている。

ここで食べた「卵を使ったエルサルバドル風の朝食」が、ニューヨークで初めての朝ごはんとなった。

生まれて初めて食べる食べもの
私はこれから毎日 生まれて初めての経験をするんだ……
私だけの宝物が どんどん生まれていくんだ

『いつかティファニーで朝食を』⑨

今回もさまざまな朝食店が紹介されていたが、前述以外にもたとえば、大阪の24時間営業のダイナー『U.K WILDCATS』も面白そうだった。海外のおもちゃや看板が並ぶ店内に、メニュー一個一個に丁寧に書かれた物語のような解説、スジ肉の入った料理を「リトル・スージー」と名付けるネーミングセンス……随所にオーナーのこだわりを感じられて楽しそうである。ぜひこちらにも、伺ってみたいところだ。

もっとマンガの記事を読む

⇒マンガの記事一覧はこちら

もっと朝食の記事を読む

⇒朝食の記事一覧はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT US
襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。