高峰秀子『おいしい人間』。ときにおかしく、ときに愛おしい人間の話
『おいしい人間』と聞いて、勝手に食べものの話だと思っていたら、おかしくも愛おしい人間の話だった。女優・高峰秀子さんが出会ったさまざまな人、そしてご自身や夫さん、ご家族のエピソードが綴られている。 ……とはいえ、読み終えて...
『おいしい人間』と聞いて、勝手に食べものの話だと思っていたら、おかしくも愛おしい人間の話だった。女優・高峰秀子さんが出会ったさまざまな人、そしてご自身や夫さん、ご家族のエピソードが綴られている。 ……とはいえ、読み終えて...
ライターを生業としている。ともなると、仕事はまず「書くこと」である。しかしこの「書く」はなかなかにやっかい。 まず、必ず一定時間で書き終えられるとは限らない。内容によって時間は伸び縮みする。取材した内容が複雑であればさら...
朝井リョウさんのエッセイ『風と共にゆとりぬ』を読むときは注意が必要だ。つい「ぶはっ」とふき出してしまうのを必死にこらえなければならない。できれば家で、一人で読むのがいい。急に笑い出して、不審者になりたくなければ。 ふざけ...
人生で初めて読んだ伝記は『ヘレン・ケラー』だった。目も見えない、耳も聞こえない、話せない状況が信じられず、読み終わった後は自分で目をつぶったり耳を塞いだりして、ヘレン・ケラーの様子を想像してみた。すぐに恐ろしくなってやめ...
食を語るとき、その切り口はさまざまにある。食材や料理、飲食店などテーマも幅広くあるし、テーマを絞ったとしても、それに関する歴史や好きなところ、食べた感想など、人によって取り上げる箇所は異なるだろう。 こうして多様な語り口...
作家・小川糸さんのエッセイ『洋食小川』は食の発見とひらめき、そして愛情に溢れている。やさしい文章で綴られる料理の数々は、どれも魅力的だ。 いつもの料理にひらめきを加える 正月のお屠蘇は、小川さんの夫・ペンギンさんが好きで...
本を読むという行為は、場所を動かずできるものではある。しかし、本はさまざまな世界へ連れて行ってくれる。精神的にも、物理的にも。 森まゆみさんのエッセイ『本とあるく旅』は、作品の舞台や作家の故郷など、読書で出会った土地を巡...
沖縄に行った際、牧志市場の周辺をうろついていると、突然本屋が目に入った。え!? こんなところに本屋!? と驚き、お邪魔した。『市場の古本屋 ウララ』、町の古本屋さんであった。 ラインナップが面白く、沖縄に関連した本が多か...
「CDT」は形といいデザインといい、飛び出している留め具(コレクションするのに便利!)といい、インパクトのある見た目をしている。表紙は紙を切り貼りしたコラージュのようになっていて「なんだこのZINEは!?」と一気に吸い寄...
「大人ごはん」は「人から見ればありふれた、なんでもない日常を、自分ごととして再発見すること」を目指した雑誌。どんな人にも欠かせない「食」をコンセプトとし、さまざまな人物の食生活をインタビューやコラム、座談会形式で掲載して...