【レシピ本の思い出】作れなかったミルクレープ、あれは果たして誤植だったのか

今思えば、あれが人生初の、「誤植」との出合いだったのかもしれない。

子どもの頃、祖母がレシピ本を買ってくれた。子ども用に基本的な注意事項と簡単な料理が掲載されているものであった。当時、料理にはそこまで関心がなかった気もするが、とにかく本が好きだったので、レシピ本を見るのが楽しくて、愛用した。

あるとき、学校でみんなでおやつを作る授業があった。何を作るか決めようということで、私は満を持してそのレシピ本を持って行き、「ここから作るものを選ぼう」と提案した。そして見事、そのうちの一つである「ミルクレープ」を作ることに決まった。

ところが当日、ミルクレープは思い描いたようにできなかった。先生も一緒にレシピ通りに作ってくれたのだが、クリーム部分がまったくクリームにならず、ほぼ水分の液体と化してしまったのだ。

初めての誤植?

おそらく、何か材料が足りないか、分量が違うか、かき混ぜる時間や方法等の調理工程が足りなかったのだと思う。しかし、レシピ本通りに作って作れないという経験は初めてだったし、そんなことはあるはずがないと思っていたので心底驚いた。

今はライターや編集の仕事に就いたこともあって、誤植があることも知っているし、誤植があったとしても、上手く軌道修正できる知識と経験がある。

しかし、本に書いてある情報が絶対だと思っていた当時は衝撃だった。こうして人は学んでいくのである……

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。