コロナ禍以降、テイクアウト・デリバリーオタクになりつつある。さらに言えば、お取り寄せも楽しくて、ついつい頼んでしまう。家でこんなに贅沢なごはんが手頃に食べられる日が来るなんて、思いもしなかった。味を占めた私の日常を、ちょっとだけ話そう。
応援のつもりだった……のに、逆に支えられていた
軽減税率が導入されて以来、テイクアウトの波は加速していた。とはいえ、ほんの一部だった印象があるし、コロナ前はやはり外食が主流だった。
3月以降、コロナ禍になり、飲食店が大ダメージを受け始めた頃。何か私にできることはないかと、とにかく近所のテイクアウトを利用する日々が始まった。それに呼応するように、飲食店のテイクアウトやデリバリー、通販などのメニュー展開がどんどん進んでいった。
そして、頼み続けるうちにいつのまにか、シンプルに客として“家で食べられるお店ごはん”が楽しくなってきた。応援のつもりが、知らないうちにテイクアウトやデリバリー、通販に、こちらが支えられてしまっていたのだった。
テイクアウト・デリバリーをヘビロテする理由
なぜこんなに利用しているのか。理由は3つほど考えられると思う。
なかなか行けない店のメニューが食べられる
コロナ前から、タイミングや場所の関係でなかなか食べに行けない店がたくさんあった。ひっそりと「行きたい飲食店リスト」をつくっているが、行くことが叶わない店も多いのだ。
しかし、コロナ禍になり、なかなか行けなかった店でもテイクアウトやデリバリーがどんどん展開されていった。結果、店には行けなくても、そのメニューを家で食べられるようになった。
最近は少しずつ飲食店に行く機会も増えているが、そのときでも一応テイクアウトや通販をやっているか確認する。美味しかったらまた家でも頼もうと思うからである。
店側からメニューの楽しみ方を教えてもらえる
これはコロナ禍になってからの大きな変化だと思う。これまで、テイクアウトと言えば「簡易的なもの」という印象が強くて、店側もそこまで力を入れていないことも多かった。
しかし、イートインが難しくなってからは、「店に来た時と同じように楽しんでもらいたい」とするスタッフの方々の想いから、いろいろな情報を開示してもらえるようになった。例えば、メニューのこだわりや、開発過程、食べ方指南、各食材の産地などが挙げられる。
公式のWebサイトに掲載されている場合もあれば、商品と一緒に紙でもらえることもある。今までお店で口頭で説明してもらっていたようなことが、より詳しい形で情報として手元に残るのも嬉しい。

家だからこそ、自分の好きなやり方で楽しめる
飲食店の方々がこだわってつくってくれた空間で、料理やお酒を堪能する時間は尊い。それは紛れもない事実だが、それでも「家には家の楽しみ方がある」と発見できたのも良かった。
例えば、器。お気に入りの器に好きなように盛りつけている時間もまた、楽しかったりする。
それから、複数の店舗のメニューを食べられるのもいい。好きな店のメニューがずらっと並んでいると、まるでアベンジャーズ。自分の最強の布陣ができた……と感動してしまう。
合わせるお酒も、好みで変えていい。テイクアウトした店で一緒に買うこともあれば、好きな酒屋さんに行ってお酒を選んだり、はたまたお取り寄せをしたり……コロナ前までは考えられなかった楽しみ方である。
新型コロナウイルスの影響が収束しても、私はテイクアウトやデリバリーなどのサービスを利用し続けると思う。飲食店の新たな楽しみ方を発見することができ、とても視野が広がったからだ。
今後もこんなふうに、どんどん飲食店の楽しみ方が広がっていったら嬉しい。
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