私は人生で一度も「ヤーコン」を食べたことがなかった。そもそも、お目にかかったこともなかったし、「聞いたことあるけどポケモンかな?」というレベルに疎かった。
しかし、いきなりその機会に出くわした。たまたま購入した野菜セットにヤーコンが入っていたのである。はっきり言って、想像とまったく違った。
ヤーコンとは何か?
ヤーコンとは、根菜の一種である。芋のような見た目で、茶色い皮と白い実をしている。調べてみると、中南米アンデス高地が原産のキク科で、日本に流通し始めたのは1970年代頃だそう。
外来種ではあるが近年では日本でも生産されており、「アンデスの雪」、「サラダオカメ」といったブランドも存在する。さらに、実の部分以外にも、葉がヤーコン茶に使われることもあるらしい。
かれこれ50年も前から流通し、国産ブランドもある、お茶などにも使われている……と「日本でよく食べられている野菜」のような特徴だが、ヤーコンが思ったより国内に浸透していない事実は否めない。
何故なのか?食べてみて思ったが、それは見た目の印象と味わいや食感にギャップがあるからではないだろうか。以下、私の体験談をまとめておく。
実は水分量が多め。調理方法はどうする?
まず、皮をむいてみた。茶色い皮は私たちが知っている芋類のようだ。しかし、土を洗い流し、ピーラーを引いてみると……
実の部分は予想に反していた。白い実は表面に近い部分が半透明になっていて、思った以上に水分を含んでいる印象。包丁を入れると、大根のようにしゃきっと音がする。
芋に近いのであれば煮物にしてみようと思っていたが、ジャガイモやサツマイモ、里芋のようにはいかなそうである。そこで、世の中の人々はヤーコンをいったいどう調理しているのか、クックパッドでレシピを調べてみた。
ざっと見たところ、比較的多いレシピは、サラダときんぴらといったところ。なるほど、芋っぽい=加熱を検討していたが、ヤーコンは生でも美味しいらしい。では、この二つのレシピで調理してみよう。
サラダはマヨポン胡麻和え、きんぴらはニンジンなどでつくるときと同じように、みりんとしょうゆで味付けした。いざ、実食である。
リンゴのような甘味と食感……芋とは認識できない
まずサラダ。食べるとやはり、しゃきしゃきとした食感。そして味は、なんとリンゴのような甘味がする。確かにそのまま食べても充分に美味しいが、芋っぽい見た目と最初に認識してしまったばかりに脳が混乱する。
これは芋?野菜?果物?……そうだ、ヤーコンだった。一緒に食べていた夫は「『甘さ控えめのリンゴだよ』と言われて出されたらわかる自信がない」とコメント。
続いてきんぴら。これもまた、甘味が効いている。みりんでコクが足されて、いい感じだ。甘辛い味付けと相性がいいかもしれない。サラダほどではないが、ほどよく食感も残っている。
今回つくった二品は美味しかった。しかし、ヤーコンそのものの味が予想に反しすぎる。日常で使いこなすにはまだまだ修行が必要のようだ。
次はどう調理する?ヤーコンの特徴をいかして
今回の経験を踏まえ、次にヤーコンを使うならどんな調理法にするか考えてみた。
まず、リンゴのような味わいをいかすのであれば、リンゴっぽい調理法もアリなのではないだろうか? たとえばポテトサラダに入れたり、鶏肉や豚肉と合わせたり。ちょっと甘味が必要なときに使ってみるのはどうだろう。
あるいは、山芋ステーキのようなイメージで、シンプルに醤油やめんつゆで焼いてみるのもいいかもしれない。おつまみっぽいメニューも作ってみたい。
それにしても、これまでヤーコンを食べる機会がなかったが、今回きっかけがあって本当によかった。今度スーパーなどで見かけたらもっと気軽に買えそうだ。ほかの調理法も、まだまだ試してみたいところである。
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