年を重ねることをどう楽しむか? エッセイ『わたしの容れもの』角田光代
最近極端に視力が落ちた。ショック。もともと目は悪いほうだったけれど、まさかアラサーの今、さらに落ちるとは……仕事上、やたらとパソコンを見ているから仕方がないかも、と思いつつ、どこかで「いやもしかして年齢のせい……?」など...
最近極端に視力が落ちた。ショック。もともと目は悪いほうだったけれど、まさかアラサーの今、さらに落ちるとは……仕事上、やたらとパソコンを見ているから仕方がないかも、と思いつつ、どこかで「いやもしかして年齢のせい……?」など...
翻訳家・岸本佐知子さんのエッセイは、だいたいにやにやしながら読む。ゲラゲラ笑う、というのではないし、くすくすでもない。にやにや、が正しい。 とにかく物事を見る視点が面白くて好きだ。にやりと笑って「なるほど」とついつい頷い...
『おいしい人間』と聞いて、勝手に食べものの話だと思っていたら、おかしくも愛おしい人間の話だった。女優・高峰秀子さんが出会ったさまざまな人、そしてご自身や夫さん、ご家族のエピソードが綴られている。 ……とはいえ、読み終えて...
阿川佐和子さんはエッセイや対談をよく読ませていただいていて、檀ふみさんはVISAの連載「元気のダンドリ」の大ファン、という私である。そんな好きなお二人のWエッセイ、『ああ言えばこう食う』はやはり、知とユーモアに溢れていた...
『生きるコント』、タイトルが秀逸である。著者の大宮エリーさんのまわりでは、つねに面白おかしいことが起きているらしい。同書で語られるエピソードの数々はとにかく「そんなことある!?」の連続で、「ふふっ」「ははっ」と声に出して...
村上春樹さんのエッセイを読んでいると、「そう言えばちょっと変だな」とか「確かに、気になる」といった、日常に潜む不思議や面白さに気付くことが多い。こんなふうに日常を面白がれたら、楽しいだろうなあと思う。今回の『おおきなかぶ...
数ある飲食店の業態の中で、一番愛しているなあと思うのは、実のところ居酒屋な私である。なんで、と言われると雰囲気が、お客さんの賑わう様子が、雑多なメニューが、好きだから。一人で行くのも良し、少人数で行くのも良し、たまに大人...
本を読むという行為は、場所を動かずできるものではある。しかし、本はさまざまな世界へ連れて行ってくれる。精神的にも、物理的にも。 森まゆみさんのエッセイ『本とあるく旅』は、作品の舞台や作家の故郷など、読書で出会った土地を巡...
沖縄に行った際、牧志市場の周辺をうろついていると、突然本屋が目に入った。え!? こんなところに本屋!? と驚き、お邪魔した。『市場の古本屋 ウララ』、町の古本屋さんであった。 ラインナップが面白く、沖縄に関連した本が多か...
散歩が好きだ。知らない道を歩くことに、ロマンを感じるタイプである。 『ニッポン線路つたい歩き』は、全散歩好きに薦めたい一冊。著者の久住昌之さんが線路を伝って散歩をした記録が綴られているのだが、今私は、この「線路つたい歩き...