美しい文章に焦がれる『STORNER(ストーナー)』ジョン・ウィリアムズ。ある男の生涯
ジョン・ウィリアムズの小説『STORNER(ストーナー)』を読み始めて数ページ、あまりの読み心地の良さにため息を漏らした。なんて美しい文章なんだろう。一瞬一瞬の光景が鮮明に浮かぶ、緻密な描写。それらから浮かび上がるキャラ...
ジョン・ウィリアムズの小説『STORNER(ストーナー)』を読み始めて数ページ、あまりの読み心地の良さにため息を漏らした。なんて美しい文章なんだろう。一瞬一瞬の光景が鮮明に浮かぶ、緻密な描写。それらから浮かび上がるキャラ...
『読書案内 世界文学』はイギリスの作家、サマセット・モームが好きな作家や本を語り尽くした一冊。「読書は楽しくなければならない」とし、とにかく「この作家のここがいい」「この本のここが面白い」と書き連ねている。本オタクとして...
『レ・ミゼラブル』『三銃士』『椿姫』……フランス文学は日本でも数えきれないほどの作品が親しまれ、愛されている。かくいう私も、大好き。好きな作品は数知れず。 『フランス小説移入考』ではフランス文学が日本に浸透し始めた成り立...
子どもの頃に『ジョージと秘密のメリッサ』に出合うことができていたら、私の人生はどうなっていただろう。今よりもっと想像力が広がって、今よりもっと、誰かに優しく接することができていたかもしれない。 同書は児童向けであるが、大...
偶然「ウィンダミア卿夫人の扇」を読む機会があり、初めてオスカー・ワイルドの劇作品に触れた。その後、同時収録されている「サロメ」「まじめが肝心」を読み、見事にその面白さに取りつかれた。 特に喜劇。ワイルドに喜劇作品があるな...
『海に住む少女』を読んでいるとき、ずっとふわふわとどこかをさまよっているような気分だった。とにかく世界観がとても不思議なのである。生きているもの、死んでしまったもの、人間、動物、概念までもが登場し、優しい文章で綴られてい...
エミリー・ブロンテ『嵐が丘』は、読む前からあらすじを知っていた。最初に読んだのはもうずいぶん前だが、確か荒々しい愛の物語であるとどこかで聞いて、「そうなんだ」と思いながらページを捲った。 ところが読み終えてみると、これが...
ミヒャエル・エンデ『モモ』の感想を見ていると、多くの人が「時間を大切にしなきゃいけない」「効率ばかり求めるのはよくない」といった時間の概念にまつわるものが多い。かくいう私も、同作品を読んで同じことを考えた。 しかし、最近...
『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOK MARK』を読んでいて、ふと思い出したことがある。それは、私が思春期にアメリカのYA(ヤングアダルト)小説をめちゃくちゃ読んでいたということだ。 YA(ヤングアダルト)とは、...
『ドリアン・グレイの画像(肖像)』に登場する美しい少年、ドリアン・グレイは無邪気で純粋で、それゆえに残酷さがある。無邪気さと残酷さは紙一重だなと感じる。 また、美しさに取りつかれる様、人々が外見によって善悪を判断する様が...