「ラテン語」の魅力を学べる本まとめ。歴史と変遷、言語の構造、日本との関係性を知る

ふだんの生活で「あ、これラテン語だったんだ!」と驚くことが意外と多い。さまざまな言語の語源となっているし、現在はほとんど使われていないとしても、学びたいという人をよく見かける。私達日本人にとっても決して遠くない、魅力的な言語であることは言うまでもない。

ラテン語を一から習おう!……という境地にはまだ辿り着けていないが、ひとまずはラテン語の面白さを学んでみたいと思い、いくつか本を手に取ってみた。以下に、興味深かったものをまとめておく。

世界はラテン語でできている

ラテン語を世界史、政治、宗教、科学など多角的な観点で捉えながら解説した一冊。商品名や食べ物、児童文学など、実にさまざまなところにラテン語が潜んでいることがわかる。また、後半ではラテン語と日本の意外な関係にも触れていて、身近な存在として学ぶことができた。

教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流

さまざまな国の賢者たちが用いてきたラテン語はまさに「叡智と呼ぶほかない」言語……そんなラテン語を中心に、歴史や哲学、宗教、言語学習の本質に至るまで、教養を学べる一冊。韓国の大学で話題を集めた講義を元にしている。

ラテン語の世界: ローマが残した無限の遺産

ラテン語の構造や、どのように勢力を拡大し、変化していったのかという言語的歴史の変遷を解説しつつ、ラテン文学についても網羅。後半では日本でも意外と馴染みのある言葉を取り上げており、ラテン語という言語が古来から今に通じていることをありありと感じた。

中世ラテン語の辞書を編む 100年かけてやる仕事

『英国古文献における中世ラテン語辞書』の制作過程をまとめたノンフィクション。100年もの歳月をかけて、もう使われていない「中世ラテン語」の辞書を作る物語に圧倒される。最初に作り始めた人は確実に完成を見られないうえに、採算も取れずボランティアを募るほど。そうまでして作りたいという人々の思いに、ラテン語の重要性と計り知れない魅力を感じた。

ラテン語はもうほとんど使われていない言語……とは言っても、私達の生活のあちこちに根付いていて、学べば学ぶほど新しい発見がある。ラテン語関係の本を一冊読んで「多面的に知れたぞ」と思っても、また別の本にはまったく角度の違う魅力が書かれていたりする。まだまだ一部しか知らないであろうその魅力を、時間をかけて知っていきたいと思うのであった。

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