個人的・実生活に役立つ「哲学」を学べる本まとめ。人生を豊かにする、ユニークな考え方を知る

「哲学」に関心はあるものの、哲学書をいくつか読んでみても、いまいち自分のものにできている気がしない。私の圧倒的な理解不足を前に、偉大な書物たちは大きな壁のように立ちはだかっている……気がする。

そんな折、哲学研究者・永井玲衣さんのエッセイ『水中の哲学者たち』を読み、腹から笑い、度肝を抜かれた。

サルトルの『存在と無』の難解さに「脳が爆発してしまう、と思った」経験を綴ったり、友人たちが「人生はいつだってブーカや!!!」「世界、問題集かよ」とユニークな視点で世の中を語ったりしている。つまりは皆、わからないことや疑問に感じることを考え続け、言語化を試みている。それこそが哲学……ってなんだ、哲学って全然遠くないではないか。私が難しく考えすぎていただけで、視点を変えてみればかなり身近なのである。

そこでもっともっと、「自分に役立つ」「自分が面白いと思える」哲学にまつわる本を探し、読んでみることにした。以下はその一部である。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

ビジネスとはあまり関係がなさそう、むしろ相性が悪そうに思える哲学だが、本書によればそれは大きな間違い。状況を正確に把握し、正しい批判的思考を持ち、的確に課題設定をするうえで哲学は重要な役割を果たすといい、ここでは「人」「組織」「社会」「思考」といった分野別に哲学者の考え方を解説している。内容もさることながら、プロローグの「無教養なビジネスパーソンは『危険な存在』である」という見出しと内容が刺さった。

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

著者が“観光ガイド”のように語りかけながら、未知の大地である哲学を案内してくれる一冊。タイトルからもわかるように、現代人の私達にとってかなり身近なテーマが中心となっている。印象的であったのは、考える技術を学び、身につけ、練習することの重要性を説いていたこと。知識や知見があって初めて「自分なりに考える」ことに意味が生まれるのだ。

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

古典作品を読んでいると「人間の悩みって普遍的だなあ」としみじみ思う。そうなると、日々悩んでいることのほとんどはすでに先人たちが悩み抜き、何なら解決していても不思議ではないはずだ。本書は「仕事」や「恋愛」、「人間関係」などの悩みあるあるに対し、哲学者たちの考えをアンサーとして紹介した一冊。時を超えて同じことで悩み、考え抜いた諸先輩方の意見は参考になるだけでなく、「自分だけじゃない」という心強い味方にも感じられる。

哲学は実生活で役に立たないという人もいるし、それが間違っているとは当然言い切れない。考え方は人それぞれだ。ただ、私は考えることが好きであるし、誰かと互いの考えを話し合うことも好きだ。日常はヘンテコなものだらけで、「なんでこれ、こうなってんの……」と日々疑問を抱かずにはいられない。そうなると哲学は、少なくとも私の人生に大いに役立つ学問と言ってもいいのかもしれないな、と考えている。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。