外食でも家飲みでも、最初の一杯のビールがたまらなく好きだ。ほかのお酒は食事やおつまみありきで飲むことがほとんどなのに、ビールだけは、単体で無性に飲みたくなる。
せっかく大好きなのだから、詳しく、深く、多様な面を知りたいと思い、本を読み漁っている。というわけで今回は、ビールを学ぶ際に役立つ本をまとめてみた。
幅広くビールの知識を学べる本
ビールの知識を幅広く学べる本は、こちら。
ビールの教科書
ビールの起源、歴史から始まり、原材料や製造工程、各スタイルの特徴、品評会における鑑定方法など、多面的にビールの情報を詰め込んだ一冊。世界各国のビールに触れるとともに、日本独自の歴史と変遷も網羅している。
新版 ビールの図鑑
一般社団法人日本ビール文化研究会、日本ビアジャーナリスト協会によるビールの図鑑。ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界のビールを網羅して紹介しているほか、原料や製造工程、美味しい飲み方に至るまで、ビールにまつわる知識が満載。
日本のビールは世界一うまい!
日本のビールはどのように生まれ、発展していったのか? 大手ビールメーカーの戦略や人気商品、国内ビール市場の変遷に触れながら、日本のビールの魅力を紐解いていく。巻末にはビール・発泡酒・新ジャンルの発売年表付き。
三浦しをんさんの『ふむふむ 教えて、お仕事!』にて、サントリーのビール職人のインタビューを読んだ(2007年取材)。ここで知ったのがビールにおける「官能検査」。味やのどごしを確かめ、何が足りないか、この味で良いのかを話し合う重要な確認作業だといい、専用のチェックシートにビールの香味の特徴やのどごしを書き込み、その味わいがどのようなものであるのかを明確化し、改善点を見つけるそう。
ビール職人はほぼ毎日官能検査を行っている。自社ビールだけでなく他社の商品も飲んで味わいを比べ、自分の感度を一定にしておくそうだ。こうして日々鍛錬しているからか、目隠ししてビールを飲んでも、どこの会社のビールかわかるらしい。
クラフトビールについて学べる本
多様なビールの中でも特に「クラフトビール」を学ぶ際に役立つ本は、こちら。
エンジョイ!クラフトビール 人生最高の一杯を求めて
クラフトビールの基本の「き」から、種類、製造工程、楽しみ方を紹介した一冊。クラフトビール愛の強いミュージシャン、スコット・マーフィ氏のの熱い解説と、岩田リョウコ氏のかわいらしいイラストで楽しく学ぶことができる。クラフトビール&音楽に関わりの深い方々へのインタビューも掲載。
BRUTUS特別編集 増補改訂版 クラフトビールを語らおう!
関東近辺のブルワリー、販売店、ビアバーなどを中心に、個性豊かなクラフトビールの魅力を取材した一冊。298種類ものクラフトビールが紹介されており、味わいや製造のこだわりを知るのはもちろん、ユニークなパッケージたちを眺めるのも楽しい。
日本クラフトビール紀行
全国各地のブルワリーを訪ね歩き、クラフトビール造りのこだわりや誕生秘話を取材した一冊。味わいへの追求はさることながら、クラフトビールを町おこしや新規事業の一環として捉え、ビジネスモデルとしての在り方を模索した様子も知ることができる。
クラフトビール フォア ザ ギークス ブリュードッグ流 ビアギーク宣言!
オタクにクラフトビールを追求したい人のための本。海外のクラフトビールの魅力や種類、文化などの情報から、実際に自らクラフトビールを醸造する場合に役立つ「自家醸造のための参考図書」まで“ギーク”のための知識がもりだくさん。
おまけ:「ビール」にまつわる作品たち
思わずビールが飲みたくなる、ビールにまつわる“おいしい”作品たちは、こちら。
おいしいアンソロジー ビール 今日もゴクゴク、喉がなる
阿川佐和子氏、内田百閒氏、遠藤周作氏、村上春樹氏など、豪華44人の作家たちが織り成す、ビールにまつわるアンソロジー。好きなビールや飲み方のこだわり、ビールにまつわる思い出などが綴られており、飲みのお供に◎。
同書に掲載されている阿川弘之氏「ビール雑話」はエッセイ集『食味風々録』(2001)にも掲載されており、個人的に一番好きだ。ビールはこうあるべきという個人的な美学が綴られ、読みながら「私はどうだろう?」と考えるのが楽しかった。例えば、「泡」と「冷え」の究極の選択について。
泡と並んで美味しさを左右するのは冷え。穀物の話に聞えさうな変な言ひ方だが、「泡」たつぷりの「冷え」抜きビールと、「冷え」充分の「泡」無しビールと、どちらか選べと言はれたら、みなさんどうなさる。
『食味風風録』「ビール雑話」
む、難しい~!!! ビールにもよる!!! ウンウン唸りつつ、私は「冷え」充分の「泡」無しビール派でいこうと思います。決めました。知らない美味しい食べ方・飲み方にはいつでも挑戦したいし、自分の好みだけを全面に押し出すことはない。だが、考えてみると意外と私にも好みや「こうしたい」という願望があって、それを言語化するのは結構面白いと気づいたのであった。
ビールって気軽な存在ながら、奥が深い。知れば知るほど楽しみ方が広がっていく。今後も国内外、世界中にある美味しいビールを、学びながら嗜んでいきたい。
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