美術展を見るときは「西洋美術」が多い。しかし、ざっくりと流派や画家を知るのみで、体系的に把握しているわけではない……せっかく関心があるのだから、知識としても身に付けたい。というわけで、「西洋美術」を学べる本をいくつか手に取ってみた。以下に、興味深かった本をまとめておく。
西洋美術の基本的な知識を学べる本
西洋美術の基礎を学ぶ上で役立つ本は、こちら。
いちばん親切な 西洋美術史
西洋美術の基礎と歴史の変遷を学ぶのにぴったりな超・入門書。絵画はもちろん、建築や街道などの写真も多分に取り入れながら作品の特徴や時代背景を解説していて、西洋美術の全体像をつかむことができるようになっている。
鑑賞のための西洋美術史入門
鑑賞者が知っておきたい、紀元前5000年から現在に至るまでの美術史をまとめた入門書。西洋美術のルーツや初心者が抱きがちな疑問に対する回答、専門用語の特徴をイラストとともにわかりやすく解説している。キャラクターによるコメント、「鑑賞のキーワード」など、観る側の視点をユニークに取り入れた一冊。
多様な視点で西洋美術を学べる本
より多角的に、深く西洋美術を学べる本は、こちら。
東京藝大で教わる西洋美術の見かた
東京藝大で実際に行われている講義に基づいて制作されている。入門書的位置づけでわかりやすい解説だが、ピックアップされている作品がユニークで、西洋美術の知識がある程度ある人も楽しく学べるのではないかと思う。バランスよく知るより、「個々の作品に対する具体的なアプローチ」を学ぶことを重視した一冊となっている。
超絶技巧の西洋美術史
西洋美術の「技巧」に特化した解説書。しわや髪の毛などの緻密な描写、まるで本物のような静物画、明暗の対比や遠近法などのテクニック……ダ・ヴィンチやベラスケス、フェルメールなどの名作を取り上げながら、彼らのスゴ技を紹介している。作品の写真も大きく掲載されており、目で見てその素晴らしさを味わえるのも魅力的。
画商が読み解く 西洋アートのビジネス史
西洋美術を「ビジネス」の観点からとらえた一冊。西洋美術の歴史とともに、アーティストの社会的地位、仕事の状況、経済的発展に触れつつ、最終的にはアートとビジネスの関係を紐解いていく。美術作品の経済的側面を学ぶのはもちろん、経済とは無関係な面での、美術作品の本質的な魅力を見つめ直す一冊でもあるように感じた。
「西洋美術」の世界は実に広く、まだまだ知らないことだらけだ。今後もさまざまな案内を頼りに、自分なりに学び、楽しんでいきたい。
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