美しい文章に焦がれる『STORNER(ストーナー)』ジョン・ウィリアムズ。ある男の生涯
ジョン・ウィリアムズの小説『STORNER(ストーナー)』を読み始めて数ページ、あまりの読み心地の良さにため息を漏らした。なんて美しい文章なんだろう。一瞬一瞬の光景が鮮明に浮かぶ、緻密な描写。それらから浮かび上がるキャラ...
ジョン・ウィリアムズの小説『STORNER(ストーナー)』を読み始めて数ページ、あまりの読み心地の良さにため息を漏らした。なんて美しい文章なんだろう。一瞬一瞬の光景が鮮明に浮かぶ、緻密な描写。それらから浮かび上がるキャラ...
子どもの頃に『ジョージと秘密のメリッサ』に出合うことができていたら、私の人生はどうなっていただろう。今よりもっと想像力が広がって、今よりもっと、誰かに優しく接することができていたかもしれない。 同書は児童向けであるが、大...
コンビニで働く人の話かなあと思い、読み始めた。確かに、そうだった。そうだったが、想像の斜め上を行くとんでもない作品であった。「コンビニで働く」という一つの軸を元に、無意識に社会的価値観に沿って生きる人々、それを受け入れら...
クラリッサ(=ダロウェイ夫人)を取り巻く1日を記した小説『ダロウェイ夫人』。彼女がパーティを開くために準備をする中で、自分の暮らしや人生やパートナーについて思いを巡らせ、自分なりの価値観を示していく。 また、クラリッサが...
吉本ばななさんの小説『彼女について』は「魔術」「呪い」「宗教」などの目に見えないものがキーワードとなっている。目に見えないものを信じること自体はもちろん悪ではない。しかし、それに振り回され、苦しみ、悲しい事件が巻き起こっ...
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』は、小学生のかのこちゃんとその飼い猫・マドレーヌ夫人の物語。子どもの視点と猫の視点が交互に現れ、不思議で愉快な世界観を繰り広げている。 笑ったり、ふむふむと感心したり、しまいには目頭が熱く...
私は目に見えないものを信じられない質である。しかし、本の世界に飛び込むといつのまにか、「いや、そういう存在もいるかもしれないな」とついつい思ってしまう。私もいたのだろうか、『パレード』に登場する天狗のような存在が。 子ど...
雑誌で紹介されているのを見つけて関心を持ち、読み始めた中島らもさんの『今夜、すべてのバーで』。読んでいる途中から、「なんだかこれは、すごい本だぞ……」と惹かれていき、読み終えた頃には出合ったことに感謝したくなった。 ふだ...
過去の記憶を思い起こすとき、色が鮮明に浮かぶときがある。自分や誰かが来ていた服、食べていた食べ物、建物、どんなものにも色があって、その色のイメージがぱっと思い出されることがある。 『いろごと』は色をテーマにした短歌・短編...
『掃除婦のための手引き書』を読み始めたとき、各々の物語が何を意味しているのかよく理解できなかった。各主人公の年齢や性別、属性はバラバラで、舞台もそれぞれ異なる。 しかし、読み進めていくうちにその文章の美しさに魅せられ、属...