寒い時期こそスープに限る。綿貫芳子『オリオリスープ』①に学ぶ、スープ作りのアイデア

綿貫芳子さんのマンガ『オリオリスープ』は、スープの魅力にどっぷりハマった女性の物語。

書籍の装丁を手掛けるデザイナー・織ヱ(おりえ)は、大のスープ好き。ランチタイムにはスープのある店に出かけたり、お気に入りの店が休みの日にはわざわざ会社の給湯室で作るほど。同僚たちは「まただ」「また始まった」なんて思いながら、彼女のスープ愛をひっそりと見守っている。

登場するスープはどれも実際に作れるものばかり。今回は第1巻から、美味しいスープ作りのアイデアを少しだけ紹介したい。

美味しくて簡単! 織ヱさんが作る極旨スープの数々

『オリオリスープ』では、1話ごとにスープが紹介されている。細かな分量こそ書いていないものの、スープであればざっくりとした目分量で作ることも可能。下記、今回の巻で作ってみたいスープを挙げてみた。

鍋にたっぷりと作る、菜の花とベーコンのミルク煮

春先に食べたいスープ。ベーコンと玉ねぎ、湯がいた菜の花をコンソメで煮込み、「そこに牛乳をだ―――っと加える」。パン屋で買った焼きたてのパンと一緒にいただく。

食べていると会社にいい匂いが漂って、人が集まってくる。みんなで取り分けて食べ、同僚たちの心とお腹が満たされていくシーンは、こちらの心もじんわりと温まる。

夏場に食べたい! オクラとミョウガのお吸い物

下ごしらえしたオクラとササミ、せん切りにしたきゅうりとミョウガを用意し、白だしベースのつゆをかけて食べる。夏バテしそうな暑い時期でも、するっと喉を通るであろうさっぱりスープ。夏らしい食材がたっぷり入っているのも良い。

このほか「琵琶のコンポート」や「カレーうどん」など、一般的に“スープ”と言われるものではないけれど、汁と食材の組み合わせになっている料理がたくさん登場するのも面白い。「これは見方によってはスープかも!」と楽しみながら読んでいる。

身も心も温まる、スープの効能

さまざまなスープを作る織ヱさんだが、そこまでスープに夢中になるのは何故なのか。

同僚に「織ヱさんにとってスープって何なんですか?」と聞かれた彼女は、スープの魅力について次のように語るのだった。

人に必要な栄養と水分を一皿で賄える!
それに、ホッとする
疲れてる時や元気が出ない時 一口飲むだけで心も体も温まるでしょ?
あと簡単につくれるし

『オリオリスープ』①

言われてみれば、スープはかなり有能である。最近は「一汁三菜」ならぬ「一汁一菜」という言葉もあるほど、スープ一つでたくさんの栄養をバランスよく取れるようになっている。

おまけに、簡単で美味しいのだから、本当にスゴイ料理だ。本作を読んでスープの可能性に改めて気づき、早くもいろいろ作りたくなっているのだった。

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