日本酒の進化が止まらない。古き良き伝統のつくりを大切にしつつも、新しい挑戦を続ける酒蔵は多い。最近はエチケットのデザインも豊富で、飲む前の楽しみも増えた。
また、味わい方も広がっている。日本酒に合わせる食事も和食一辺倒ではなくなり、ペアリングの可能性は果てしない。
渋谷『sakeba』では温故知新の魅力的な日本酒たちと、新鮮なペアリングを教えてもらえた。行ってみれば、日本酒好きも詳しくないが興味はあるという人も、きっと新しい発見が得られるだろう。
エチケットがかわいい日本酒の数々
同店では、味の好みや料理に合わせて美味しい日本酒を提供してくれる。以前は自ら選んで注文するスタイルだった気がするが、今回はすべておまかせで出してもらった。ほとんどが、初見だった。
まず、「bar362+3」。京都の老舗酒蔵『竹野酒造』と、完全予約制の日本酒バー『bar362+3(バーサンロクニプラスサン)』、そして日本酒専門店『KURAND SAKE MARKET(クランドサケマーケット)』が共同で開発している。
続いて、「酒を売る犬 酒を造る猫」。犬と猫のかわいいイラストは「酒を売る」営業の方と「酒を造る」杜氏の方を模して描いているそうだ。また、二人が大学の同級生であることから、「友と呑み交わす酒」というコンセプトを持つ。透き通った色合いで、すっきりめ。
続いて「Te-hajime(てはじめ)」。日本酒ではなく「Rice Wine(ライスワイン」を名乗っている。さわやかな柑橘系の風味があり、フルーティーな甘みも感じられるワインのようなお酒だった。
と、ここまで来て初めて、『KURAND』のお酒が多いことに気付いた。それもそのはず、『sakeba』は2016年より『KURAND』の姉妹店としてリニューアルしているのである。私が初めて伺ったのはそれより前なので、運営方法が変わっていても不思議はない。
ただ、お酒を比べるまでわからなかった。以前来たときの丁寧なサービスや豊富な品揃えは、今と変わらなかったからだ。
にごり酒は角煮と相性がいい? ペアリング実践
日本酒の特徴を聞きつつ、ペアリングについても教えてもらった。もっとも意外だったのは、「にごり酒は角煮と相性がいいですよ」と言われたこと。そもそもにごり酒を何かに合わせようと思ったことがなかったので、驚いた。
いざ合わせてみると、確かに甘味のある濁り酒は、甘辛い角煮と合う。これはぜひ、家でも試してみたいところだ。
美味しい日本酒を堪能し、多くのことを学ばせてもらった。ペアリングはとにかく教えてもらってばかりなのだが、そろそろ自分のオリジナルペアリングを開発してみたいとぼんやり考えている。
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