帰りたくなる家について考えてみる。『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』②

『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』の第2巻では、離婚を機に一人暮らしを始める主婦や海外から帰国したフォトグラファーなど、住む街に全然執着のなかった人が、自分らしく暮らせる街と家を見つけ、新しい生活を始めていく。

また、不動産屋の富子・都子姉妹の家のリノベーションの話もあり、「居心地がよくて帰りたい家とはどんなものなのか?」を考えるいいきっかけになった。

趣味や好きなものから家を探す

2巻では、離婚が決まった主婦・友部さんの回がいちばん好きだ。一人暮らしすることになったものの、今さら自分がどこに住みたいのかわからない。ひとまず今まで住んでいた吉祥寺で探してみるものの、これ!と思える物件が見つからずにいる。

しかし、富子と都子が話を聞いていくうちに、以前の家の「カウンターキッチン」が好きだったことが発覚し、キッチンを中心に探すことに。

このあと、結局吉祥寺以外の街に繰り出すのだが、彼女のある趣味が明らかになり、その趣味にもぴったりの場所を選ぶ。彼女は未知なる一人暮らしをするうえで、好きなものが揃っている場所に決めたのである。

私が今の家に決めたのは、過ごす時間が圧倒的に長いリビングが比較的広かったから。それから、好きな本屋さんが近くにあったから、と、友部さんの選び方にちょっと近い部分があり、共感した。好きなものに囲まれる生活は、自分を豊かにしてくれる。

リノベで理想の家を作るヒント

2巻の見どころの一つに、富子と都子が暮らす家のリノベーションの話がある。

二人の家は築年数を重ね、あちこちにガタが来ている状態。二人はリノベを考えるようになるが、どう改築したいかが全く思い浮かばない。そこでデザイナーや実際にリノベをした人たちが、彼女たちにいろいろな考え方を提案してくれる。

もっとも面白いなと感じたのは、コンセプトだけでなく「NGワード」を書き出す、という案。

例えば、作中に登場する夫婦のNGワードは「見せる収納」「ナチュかわ」「カフェ風」。確かに、NGワードだけでも何となく目指す先がわかる気がするし、コンセプトよりも思いつきやすいのでは。

ほかにも、お気に入りの家具を中心にリノベイメージを考えるというのもいいアイデアだと思った。ダイニングテーブルや大きなテレビ、本棚、ソファなどなど、好きなものを中心に考えるとイメージがふくらみやすいように感じる。

私自身は賃貸なので、今すぐリノベの知識が必要というわけではない。ただ、最近両親が実家を少しずつリノベしていることや、中古マンションのリノベ物件をたびたび見かけることもあり、それ自体には興味津々。いつか自分がするようなことがあれば、この2巻を参考にする!

このほか、今回もたくさんの街が紹介されていて楽しい。個人的に気になったのは、経堂。駅まわりが洗練されていて、行ってみたい飲食店も多いほか、何より関心があるのは東農大! 一般の人も参加できる講座があるらしく、面白そうである。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。