食事で心と体に栄養を与える。『しあわせは食べて寝て待て』①

マンガ『しあわせは食べて寝て待て』の主人公・麦巻さんは、パッと見ではわからない難病を抱えている。働けないわけではないけれど、毎日勤務するのは難しかったり、風邪を引きやすかったりして、しんどさを抱えている。

読み始めた時、結構心が苦しくなってしまった。なぜなら、難病を抱えていないとしても、こういう状況の人は決して少なくないだろうと予想できるからである。

全員が週5日、フルタイムで元気に働けるわけではないし、働くことそのものに向き不向きもあるはずで……世間の「普通」に馴染めない人もまた、珍しくない。

ただ、そんな彼女が薬膳を知り、少しずつ自分の心と体に栄養を与えていく様子は、こちらも元気を貰える。この作品自体も、心に栄養を与えてくれるのである。

不調を改善する、ちょっとした食の知恵

ひょんなことから出会った元気なおばあちゃん・鈴さんと独学で薬膳を学ぶ美山さんは、健康な食生活を送っている。麦巻さんはその知恵を借りた際に不調が治り、そのことをきっかけに、薬膳に関心を持つようになっていく。

薬膳は誰にでも効くような万能薬ではない。薬ではないから、毎回必ず効くとも限らない。ただ、ちょっと知っておくことで気が楽になることもあるだろうし、「これがあれば大丈夫」と自身が思えるものに出合えれば、心の安定にもつながるはず。

私は「美味しいものが好き!」を第一に生きており、あまり薬膳を気にしたことがなかった。しかし、麦巻さんの変化していく暮らしぶりを見ていると「私も取り入れてみようかな」という気持ちになってくる。薬膳を取り入れたごはんもまた、美味しそうですし!

思い返せば、私にもそれなりに体の不調やメンタルの悩みもあるので、食で改善できる部分があれば挑戦してみたいなと思うのであった。

いつかのときのために元気になっておく

同作は一つひとつの話が温かく、じんわりと染みるセリフも多い。ここでは、私の一番好きな鈴さんのセリフを……

麦巻さんの症状は一生付き合っていかなければならないもので、そのせいで夢が絶たれてしまったり、苦しい思いをしたりしている。どうしてもふさぎ込んでしまうことも、当然ある。しかし、鈴さんはいう。

「果報は寝て待て」っていうじゃない
運が巡ってきたときのために
少しでも元気になっておきなさいよ

『しあわせは食べて寝て待て』① p.74

これって本当に大事なことだな、としみじみ……悪いことは確かに突然降ってくるけど、良いことだって突然降ってくる。そのときに、できるだけ元気な自分でいたいと私は思う。楽しい事や嬉しいことをたくさん受け入れるために、健康でいたいのである。

さっそく少しずつ、本書で知った薬膳を取り入れていこうと意気込んでいる。私や家族の、心と体のために。



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