「別冊天然生活 暮らしを育てる台所」で知る、心地よいキッチン作りのコツ

気が付けば、毎日キッチンに立っている。食事を作るのはもちろん、ちょっと飲み物やおつまみを用意したり、何か食べものはないかと漁りにいったり……とにかく一日に一度、いや、数度は必ず行く場所なので、居心地がよいに越したことはない。

日々の生活にこんなにも馴染んでいるキッチン、より過ごしやすくするにはどうしたらいいのだろう。「別冊天然生活 暮らしを育てる台所」から、そのコツを学んでみた。

出しっぱなしの料理道具からアイデアを得る

きちんと整理整頓されたキッチンを見ると、清々しい気持ちになる。しかし、すべてが綺麗にしまわれていることが心地いいとは限らない。人によっては、見える範囲にものが置いてある方がいい場合もあるはずだ。

くるみの木・石村由起子さんは、コンロまわりに料理道具を並べておくことで、料理のアイデアがひらめきやすくなると話す。

「好きな道具や器を目につくところに置いておくと気分がいいし、『次はこれを使ってみよう』『このお皿に盛りつけてみよう』って、料理のアイデアにもつながりますね」(p.17)とのこと。

確かに、パッと手に取れる範囲にあるだけで、使ってみようという気になれるし、この道具が使える食材は……と逆転の発想も生まれるだろう。

そのほか、モデル・イラストレーターの香菜子さんもまた、料理道具を出しっぱなしにする派だという。実用性や機能性を重視している様子がうかがえる。

台所って、インテリアを楽しむ場所でもあるけれど、私にとっては実用としての比重が大きいんです。使いやすく、それでいて楽しい気分にもなれる。そのちょうどいいバランスを、終わることなく探っている感じですね

「別冊天然生活 暮らしを育てる台所」p.30

すべて綺麗にしまわれているキッチンに憧れていたこともあるが、実際にしまってみると、私の場合はその道具があること自体を忘れてしまう。お二人のように、パッと見で手元にあることがわかる仕様にするのが良さそうだ。

今のところ我が家は、コンロまわりにフライ返しやおろし、お玉類をかけているが、もう少しうまく整頓したいところ。本誌を参考に気持ちのいいキッチンを目指したい。

台所仕事の中に掃除を組み込む

キッチンはいつだって汚れる。料理をするだけでも油が飛んだり、コンロまわりに汁がこぼれたりすることもあるし、シンクは綺麗に使っているつもりでも、いつのまにか水垢がこびりつく。定期的に掃除をしたくても、正直ちょっぴり面倒くさい。

では、キッチンを綺麗に保つにはどうすべきか? メディアでもよく見かける家政婦・タサン志麻さんのコツは、台所仕事の中に細かい掃除を組み込むことだという。

道具は使ったらすぐ、シンク内や三角コーナーは料理のたびに洗剤で洗い、ガス台に油や汁が飛んだらその場で拭き取る。1日の終わりには排水溝を漂白剤で除菌。これをやっておくだけでヌメリがつかないそうだ。

流れ作業に組み込めば、面倒くささは軽減される。さらに、ふだんから綺麗にしておくことは、良い効果をもたらすこともある。「台所がきれいだと、確実に料理の意欲が高まるし、作業もスムーズになるので味にも影響するはず」(p.34)という言葉には納得だ。

私は料理と掃除を別で考えてしまいがち。それゆえに、掃除をすることがもう一手間に感じられて面倒くさくなってしまう。志麻さんのように流れ作業の一部として習慣化することが、ズボラな自分にとっての最適解となりそうである。

短所を受け入れて、自分らしく改善していく

キッチンを上手に活用しようとすると、どうしても「がんばらなきゃ」という気持ちが先行する。しかし、手づくり暮らし研究家 美濃羽(みのわ)まゆみさんは、逆に自分の短所を受け入れたうえでキッチンを改善していた。

苦手なところを直そう、がんばろう、という方向ではなく、『見えていないと忘れちゃう』とか、『ラベリングにこだわると続かない』とか、『自分のアカンところ』を受け入れたら、前向きになれました。それからですね、工夫するのが楽しくなっていったのは

「別冊天然生活 暮らしを育てる台所」p.57

まさに先述の、道具を見えるところに置く、掃除を作業に組み込む、というような工夫は、私の忘れっぽく、面倒くさがりの性格を受け入れた改善となりそうで嬉しい。無理しようとするとなかなか続かないことは明白なので、自分の性質に合ったやり方を探していきたい。

ほかにもさまざまなキッチン作りのポイントが紹介されているが、どれをとっても自分のやりやすいスタイルを手探りしている姿が印象的だった。

私が参考にしたのは主に上記の部分であるものの、人によって参考になる部分は異なるだろう。プロの方々のポイントを参考にしつつ、自分の場合はどのやり方が心地よいのか、日々探っていくことが重要といえそうだ。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。