暮しの手帖連載『エプロンメモ よりぬき集』から学ぶ、温故知新の食の知恵

昔ながらの知恵には、意外と新しい発見も多いものである。

『エプロンメモ よりぬき集』は、『暮しの手帖』の連載「エプロンメモ」から、暮らしの知恵を選りすぐって掲載した一冊。70年近く前からの知恵なので、今となっては当たり前のものもあるものの、新たに参考になったアイデアももりだくさんであった。

今回はその中から、食のアイデアでやってみたいものを感想と共にメモ。

炊き込みご飯のバタライス

残り物の炊き込みご飯を、バタライスにするというアイデア。「フライパンにすこし多めのバタを溶かし、ご飯を入れ、コショーをたっぷりふりこんで、少しこげるほどに炒め」(p.10)るのだそう。

炊き込みご飯をアレンジするという発想がなかったので新発見。まとまった量を作ることも多いし、翌日はバタライスにしてみようかな。

ウイスキーカステラ

カップ1杯の水に同量の砂糖を入れて煮たて、ラム酒かウイスキーを大さじ2杯入れて火をとめ、ここにカステラを浸す。

「やわらかなカステラに、ウイスキーの風味がきいて、カステラだけいただくのとは、またちがった味になります」(p.22)とのこと。お酒のおつまみにもなりそうであるし、コーヒーや紅茶とも相性がいいのでは。

りんごのソース

すりおろしたりんごを煮立てた醤油、日本酒と混ぜ合わせて作るソース。「牛肉や豚肉の薄切り焼きや、トリ肉の焼いたものに、つけながら」(p.58)食べると美味しいという。

甘酸っぱい味付けのソースはいいアクセントになりそう。思えばりんごは焼肉のたれなどにもよく使われているイメージ。肉料理にもっと活用してみたい。

チーズにレモン

チーズのサンドイッチを作る際に、うすい輪切りのレモンを添えてパンにはさむと美味しい、というアイデア。「チーズがあまり好きでない人も、つい食べてしまうくらいです」(p.116)と書かれており、どんな味になるか気になるところ……夏場の朝ごはんやブランチにしたい。

変りしょう油

醤油とごま油を2:1で合わせると、「なんとも言えぬ甘味と、しょう油の香りとゴマの匂いがいっしょになって、使い方一つで、なかなかおいしいものです」(p.220)とのこと。

これに刻みねぎやかつおぶしを加えて、湯どうふ、ほうれん草のお浸し、しらす干しなどにかけて食べるという。

気になったのは「たくあんを、出来るだけ細いセン切りにして、塩からいのは少し水で塩出しして、これでいただくのも、また、ちがった味がして、食がすすみます」という一言。たくあんをアレンジするという発想はなかった……ごはんのお供のバリエーションが増えた!

焼魚にガーリック

焼魚にはたいてい大根おろしと醤油、あるいはポン酢などをかけるが、ここでは、「粉末のガーリックをちょっとふる」(p.216)アレンジが紹介されていた。ガーリック、確かに美味しそうなのに、今まで一度もかけてみようと思ったことがなかったな……ぜひ、挑戦してみよう。

鍋料理に溶きがらし

鍋が大好き。夏でも冬でも、食べたい。そんな鍋料理の味変として、つけ汁やダシに、溶きがらしを加えるというアイデア。

「これは、はじめから入れたのでは効果がありません。途中、もうそろそろというときに、食卓に出すのがコツです」(p.237)とあったので、鍋を存分に楽しんでからやってみたい。鍋の味は何がいいんだろう。味噌? 水炊き? 豆乳鍋に加えるのもいいかも?

今回紹介したもの以外にも、料理はもちろん暮らしの知恵がたくさんあった。昔から長年受け継がれてきたアイデアは、令和の今でも十分参考になる。温故知新の気持ちで、どんどん取り入れていきたい。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。