『ずっと使いたい世界の料理道具』は、海外製の料理道具をたっぷりと紹介している一冊。道具の特徴や使い勝手のみならず、開発秘話や生産元の企業理念まで細かく解説されていて、隅から隅まで読むのが楽しい。
今まで道具の生産国はあまり気にしたことがなかったが、本書を読んで「海外の料理道具」という分野に興味がわいた。国産の道具ももちろん魅力的であるが、海外製のものは国産にはない色遣いやデザイン、用途があるからである。
また海外製の料理道具は、海外の食文化のもとに作られている。和食を作るときには使わないものも当然あり、食文化を考えるきっかけにもなった。
これ欲しい! 気になる料理道具たち
知っているものも知らないものも盛りだくさんだったが、中でも個人的に「欲しい!」と思ったのは以下。
オクソーのメジャーカップ
上から覗いて目盛りがわかるオクソーのメジャーカップは、使っている人をよく見かける。特にミニサイズは、置いたまま使えるメジャースプーン。ありそうでない利便性がとてもいい。今まで買うタイミングがなかったけれど、ぜひこれを機に買いたい!
ル・クルーゼのグルメ・スパチュラ
ル・クルーゼといえば、ナベやココットのイメージ。スパチュラの存在は知らなかったが、これが声に出して「かわいい!」と叫びたいほどキュート。
木製の持ち手と赤いシリコンの先端。かわいいだけでなく、「高級シリコンを用いることで、マイナス40度から250度までの温度差にも耐えられ、型くずれせず、食材のにおいも残さない、高級スパチュラ」(p.50)とのことで、使い勝手も抜群。
ヴィヴのノンスティック・オーブンウェア
思えばオーブンは確かに外国の文化である。オーブンに適した器も、海外のほうが多様なのかもしれない。
ヴィヴのノンスティック・オーブンウェアは「食器としても料理道具としても使え、オーブン、電子レンジ、冷凍冷蔵庫にも使える」だけでなく、フッ素樹脂加工もされている。色合いも可愛らしく、おもてなしのときに使いたい。
料理を外からサポートする道具(?)たち
ほかの料理道具紹介と違って面白いなあと感じたのは、直接料理には関わらないけれど、サポートしてくれるアレコレの紹介。
たとえば、無印良品から発売されている「BGMシリーズ」。世界各国の伝統的な音楽をピックアップしているので、作る料理に合わせてかけると楽しいのでは、という提案であった。現地の雰囲気を音楽で感じながら料理するのはもちろん、食べるときに流すのも良さそう。
あるいは、モレスキンのノート。お気に入りのレシピや献立をメモするのに使うものとして紹介されていた。
正直に言うと紙のノートは修正が効かないし、レシピノートとしては向かないと思っていた。
しかし、本書では興味のある料理や味のレシピをとにかく書き留める方法が推進されていて、「つくらない物とまたつくりたいと思う物が混在することが自分に合った料理の種類や、調味料の量などを知るきっかけ」(p.132)になるとあり、納得。
モレスキンのノートは表紙も丈夫であるし、長く使えるはず。どこかでレシピをまとめておきたいなと思っていたので、この際紙のノートで管理するのも良いかもしれない。
日本の古き良き道具、国産の質のいい道具も大好きだが、これを機に海外の料理道具をもっと見直していきたい。多様な道具を取り入れれば、もっと料理を楽しめそうである。
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