料理する時間がないなら、素を作っておけばいい。「おかずの素」を作るワザ

料理は好きである。とはいえ、毎日作るのは大変だ。忙しくて時間が無いこともあれば、面倒に感じるときもある。

ワタナベマキさんの『作っておけて すぐ一皿できる おかずの素』はそんな忙しい(そして料理がちょっと面倒くさい)私たちの強すぎる味方。料理の前段階にある「おかずの素」の作り方を教えてくれる。

料理を一からつくらないという考え方

料理を一から作るのは、なんだかんだ大変だ。献立を考えて、必要な食材を買いに行って、下ごしらえして……特に毎日のことになると、しんどい。だからこそ、事前に「素」を作っておくことを、本書は推進している。

最初に準備段階を作っておけば、あとは混ぜたり、炒め合わせたり、さっと煮たりするだけで料理が仕上がる。しかもその準備も、切って塩もみするだけなど本当に簡単な作業で済んでしまう。

世間的にはこういったものを「常備菜」と呼ぶのだと思いますが、私が提案するのは、その常備菜になる前の「おかずの素」。素ゆえに、それで完成というわけではないのですが、何より冷蔵庫にこれがある!って思うだけで、気が楽になりませんか?

『作っておけて すぐ一皿できる おかずの素』ワタナベマキ

では、具体的に「素」ってどんなものなのだろう? 本書に掲載されており、かつ、我が家で作ってみたものを挙げてみる。

食材一つで出来上がる、野菜の「おかずの素」

フレッシュトマトソース

トマトを角切りにして、オリーブオイルや塩、玉ねぎのみじん切りと混ぜ合わせる。サラダのドレッシングやパスタ、焼いた鶏肉や豚肉にかけるだけでも使えて万能。あるだけで彩りも豊かになって嬉しい。

長ねぎのオイルマリネ

ねぎはたいてい既にカットされている冷凍のものを使うことが多いけれど、自分で下ごしらえした素を作っておくのも良さそう。小口切りにした長ねぎに、お酢や塩を混ぜて味つけしておくので、冷奴にかけるだけで美味しいし、焼肉にのせたり巻いたりするのも◎。

きのこのマリネ

エリンギやしめじ、えのきなど、自分の好みのきのこを食べやすい大きさに切って塩とお酢で炒め合わせる。本書に「そのままおつまみとして」とも書いてある通り、そのままでも使える。

チーズをかける、パスタに和えるなど、きのこはちょっとしたアレンジでも立派なおかずや主食になるので助かる。

ほかにも「塩もみなす」「新玉ねぎのオイル漬け」などを我が家で作ってみているが、おかずの素があると調理の手間が全然違う。疲れている時でも、面倒くささが軽減されてラクだ。何より保存がきくのがとてもいい。野菜を無駄なく使えている感じがする。

素×素で無限に広がる簡単レシピ

素は調理の手間を減らしてくれる。……とはいえ、新たに具材を購入したり、手を加えて調理をすることすらしんどい時もあるだろう。

そんなときに助かるのが、素と素を組み合わせるだけで出来る料理。本書では、おかずの素2品を組み合わせて作るアレンジ料理も紹介してくれている。

野菜の素と肉や魚介の素を組み合わせるだけでできることもあるし、ごはんにまぜるだけのものもある。その場にあるものだけでできると、料理のハードルはぐっと下がる。

本書はほかにも、「便利つゆ」や「梅みそ」、「ガーリックマヨネーズ」など、あるだけで味が決まる手作り調味料も紹介されている。家にある肉や野菜、魚などをさっと加熱してかけるだけで十分。それに自家製の調味料を作るのって、なんだか自己肯定感も上がる。

自分らしい「おかずの素」を作っていく

ある程度おかずの素を作り慣れてきたら、自分流のおかずの素を作ってみてほしいと、ワタナベさんは言う。

アレンジ料理の味つけに関してはレシピはあくまで参考でかまいません。人によって使っている調味料はさまざまだし、味の好みもいろいろなのですから。
また、調理法も「混ぜる」「炒める」「焼く」「煮る」「蒸す」など、多々あります。違う手法にチャレンジすることで、新しいおいしさを発見することもあるのです。
まずはおかずの素を1つ作り、自分の好きな味を見つける旅に出てください。

『作っておけて すぐ一皿できる おかずの素』ワタナベマキ

私はまだ自分なりのおかずの素までは辿り着いていないのだが、なんとなく定期的に作っているものや、個人的にあると便利なおかずの素が、ぼんやりと思い浮かぶようになってきた。

好きなもの、作るのに手間を感じないものは人や家庭によって全然違う。本書を参考に、気負わず、楽しくできるおかずの素づくりを追求していきたい。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。