細川亜衣さんの『料理集 定番』を読んでいたら、「電鍋」という道具に出合った。
どうやら家電の一種らしく、一台でさまざまな料理ができるとのこと。本書によれば「一家に一台」と言われるほど普及しているらしい。内釜に水を張り、食材を入れた容器を浮かべて調理するとのこと。
ふたをして電源を入れると、ゴトゴトと派手な音を奏で始める。何度使っても驚くけたたましさだが、中を覗くと、沸騰しているのは内釜の湯だけだ。容器の中はやんわり湯気が立つだけで、ぐらぐら煮えることは決してない。要は湯煎で調理をしているのである。
『料理集 定番』p.48
台湾料理といえば小籠包などの蒸し料理が思い当たるが、なるほど、「蒸す」もこれで出来るというわけか。
調べてみるとこんな感じ……炊飯や煮込みにも使えるそう。
商品説明にも「一家に一台」「台湾人が海外駐在や留学にも必ず持っていくアイテム」などと書かれており、いよいよどの家庭にもあるものなのだと想像する。
『料理集 定番』の話はこちら!
アジア料理に欠かせない「蒸し料理」の感覚
グルメ雑誌『RiCE』no.20内、吉本ばななさんのコラム「ごはんの秘密」でも、電鍋の話があった。アジアの蒸し料理を美味しく作れる家電として「いいおつきあいをしている」と書かれていた。
台湾の蒸し野菜のあの色と味。
『RiCE』no.20 「ごはんの秘密」吉本ばなな
そして「鼎泰豊」でよく見るあの鶏スープ。どうやって作ってもまねできない澄んだあの色と脂の感じが、あっという間に再現できた。
電子レンジなどではどうしてもうまく作れなかった蒸し料理が、電鍋だと簡単に作れるというからスゴイ。圧力鍋と違っていつでもスイッチをつけたり切ったりして、蒸し具合を調整できるところもポイントのようだ。
なんだか我が家に取り入れたくなってきたぞ……電鍋、ちょっぴりアナログなところも愛おしさがある。
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