ここ4~5年の間に、ずいぶんと「ネオ大衆」と呼ばれる居酒屋が増えたように思う。赤提灯や暖簾、コの字型のカウンター。客同士が肩を寄せ合う昔ながらの居酒屋の魅力を踏襲しつつ、スタイリッシュな空間。個人的にはとても好きで、見つけるとすぐに立ち寄りたくなってしまう。
まさか緊急事態宣言が三回も出るなどと思っていなかった頃、ネオ大衆として人気の東京駅『酒場シナトラ』に伺った。コロナ禍でソーシャルディスタンスが求められ、肩を寄せ合って食事など無理に等しくなったが、それでもほどよく距離を保ちながら、静かに話しながらでも、同店での食事やお酒はとても美味しく、十分に楽しめた。
ロゴや看板がかわいらしいネオ大衆
『酒場シナトラ』は入る前からの雰囲気が素敵だ。メニューがわかりやすく書かれた看板はついついのぞき込んでしまう。力強い「酒場」の文字と「シナトラ」の可愛らしいロゴのギャップも良い。性別も年齢も関係なく、自由にいろんな人が入れる印象がある。
ロゴ入りのグラスとコースターが可愛らしい
乾杯はビールで。ロゴ入りのグラスとコースターがとても可愛い。最近こうしたオリジナルのグラスや器を用意する店が増えているが、個人的には「その店で飲んでいる」という感じがしてとても好きである。
新発見・知覧茶の焼酎
二杯目に知覧茶の焼酎を注文した。焼酎は好きだが、お茶の焼酎は飲んだことがなかった。いざ飲んでみると、お茶の味を目いっぱいに感じるというわけではなく、ほんのりお茶の風味があるという印象。食事と、特に和食との相性がいいと思う。
薬味や調味料と食材の組み合わせが新鮮
おつまみもいくつか注文。比内地鶏のつくねや鰆、カツオのお刺身、ゴボウの天ぷらなど……どれもお酒に合って美味しかったのだが、調味料や薬味の使い方が特に新鮮で面白かった。
例えば、つくねには粒山椒、鰆には海苔餡が添えられていた。どちらも観たことがない組み合わせだったが、絶妙である。カツオは定番のしょうゆだが、すりおろした玉ねぎが入ってさっぱりしている。このひと工夫が食材を引き立てているのだろう。
またまた緊急事態宣言、次は酒類の提供も禁止。飲食店の皆さんのことを思うと心が痛いと同時に、自分が飲みに行けない寂しさも募る。ウイルスが一番悪いのはわかっているが、この対策で果たしてみんなが救われるのだろうか?逆にたくさんの人を追い詰めているのではないか?という疑問がぬぐえない。
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