今回はベーカリーが満載。雑多に一人で、心おきなく食べる朝ごはん『いつかティファニーで朝食を』⑧



第8巻はやはり、主人公・麻里子と会社の後輩・菅谷のもどかしい関係が見どころ。付き合っていた高浪さんと別れて気分が落ちている麻里子を、菅谷が朝食に連れていくシーンが好きだ。

菅谷が好きだと気づきつつも、新しく会社に入ってきた白藤さんや菅谷の彼女・さちも登場し、ますます麻里子は翻弄されていく。そんな彼女を支えてくれるのは、やっぱり朝ごはんだった。

一人でのんびり食べる朝ごはん

高浪さんと別れてフリーになった麻里子は、付き合う以前のように一人で朝食を楽しむ日々に戻る。

まず今回麻里子が向かったのは、亀有にあるコッペパンの専門店『吉田パン』。一種類のコッペパンと多様な具材が用意されており、好きな具材を挟んでもらえる仕様だ。また、レジカウンターの横に作業スペースがあり、その場で盛りつけている過程が見られるのも楽しい。

おかず系からデザートまで揃っていて、本作では「フルーツにあんこのトッピング」、そして「そぼろレンコン」を注文していた。サイドメニューとして販売されている牛乳は、紙パックが三角形のタイプ。給食みたいで懐かしい。

イートインコーナーはないが、店先にベンチが設置されている。あるいは、近くの亀有公園でピクニック気分を味わったり、もちろん家に持って帰ってじっくり楽しむのもいいだろう。

麻里子は亀有公園で人目も気にせず、コッペパンをぺろりと平らげる。一人でゆっくり時間を過ごすことが久しぶりだからか、「最近は一人がとても楽しい」という。第7巻から引き続き、麻里子が自分を取り戻していっている感じがして、こちらも嬉しくなった。

また、ニューヨーク留学前の典ちゃんは、以前に自分を好きだと言ってくれていた峯田くんが結婚することを知り、何となくもやもや。そんなときにたまたま峯田くんおすすめのパン屋『オリミネベーカーズ』を発見。やけ食いに立ち寄ったのだった。

「サバサンド」や「いいだこのフォカッチャ」など、築地ならではの魚介メニューが並ぶ。ほかにも、ジェラートをパンにはさんで食べられるそうで、個性豊かなメニューがたくさんあるようだ。

一人で隅田川沿いを歩きながら、もぐもぐとパンを食べる典ちゃん。もやもやしていた心が自然と晴れていき、最後は「待ってろ!NY!!」と自分に喝を入れるのだった。

Philippe RamakersによるPixabayからの画像

有名ベーカリーが続々登場!

前述の二店舗に加え、8巻はベーカリーがかなり多く登場している。例えば、麻里子が一人で向かった『365日』は、イートインでは朝ごはんメニューを楽しめる。さらに魅力的なポイントが、朝からお酒も楽しめること。本作ではクロックマダムと白ワインを注文していた。パンはテイクアウトでも販売しているが、イートインでも楽しめるため、朝ごはんメニューに追加してデザート系のパンを注文する人もいるようだ。

さらに、栞と息子のユイトが向かったのは、京都のベーグル専門店『Radio Bagel』。ベーグルだけでもかなりの種類があるが、それに加えて、ベーグルサンドとして挟む具材を選べるサービスも。栞たちは「くるみベーグル」に「スモークチキン&ピクルス」を、「ココアクランベリーベーグル」に「メイプルうぉるナッツクリームチーズ」を挟むセットで注文。組み合わせを自分で選ぶ家庭も楽しそうだ。

また、麻里子と菅谷が向かった福岡『パンストック』。明太フランスが人気で、開店から行列ができるほどだそう。本作では「新玉ねぎのタルティーヌ」や「くるみレーズン」「小豆練乳」「キビック」などを注文していた。

パン屋が多かったこともあり、今回はイートインだけでなく、公園や駅の中、川沿いを歩きながらパンに齧りつくような、雑多に朝ごはんを楽しむシーンがたくさんあったのも良かった。こうした食べ方ができることもまた、朝ごはんの魅力の一つだろう。

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たけの
フリーの編集者・ライター。食関連の書籍・雑誌・Webサイトで活動中。祖父母は定食屋、両親はレストランを経営。飲食店一家に生まれ、食の虜に。美味しい飲食店や料理、食文化・歴史・ニュースなどを発信しています。