文房具を改めて大切にしたくなる短編マンガ集。『文房具ワルツ』河内遥
もしも自分の身の回りにあるモノたちが、心を持っていたら? なんて想像をする人は決して少なくはないはずだ。 子どもの頃から一緒に遊んでいたぬいぐるみや愛用している自転車、日々使っている机や椅子。もしかしたら私が文字を打って...
もしも自分の身の回りにあるモノたちが、心を持っていたら? なんて想像をする人は決して少なくはないはずだ。 子どもの頃から一緒に遊んでいたぬいぐるみや愛用している自転車、日々使っている机や椅子。もしかしたら私が文字を打って...
『ふらいんぐうぃっち』はタイトルの通り、魔女の話である。ただ、ファンタジーというより、人間の暮らしに馴染みすぎていて、「え、そんな感じ?」と脱力するような、ほのぼの日常ストーリーであった。私のまわりにも魔女、いるかもしれ...
本を読むという行為は、場所を動かずできるものではある。しかし、本はさまざまな世界へ連れて行ってくれる。精神的にも、物理的にも。 森まゆみさんのエッセイ『本とあるく旅』は、作品の舞台や作家の故郷など、読書で出会った土地を巡...
日記文学は面白い。誰かの一人称で綴られるリアルな日常は、たとえトンデモ事件が起きなくても楽しいのである。朝起きてから夜眠るまでにしたことを淡々と書いているだけであったとしても、なぜこんなにも、私の心を躍らせてくれるのだろ...
沖縄に行った際、牧志市場の周辺をうろついていると、突然本屋が目に入った。え!? こんなところに本屋!? と驚き、お邪魔した。『市場の古本屋 ウララ』、町の古本屋さんであった。 ラインナップが面白く、沖縄に関連した本が多か...
本屋経営の苦しさや難しさを、よく聞くようになった。出版不況、活字離れ、言葉にすれば簡単だが、その実はもっと複雑ではないかとも思う。情報過多の時代で、情報収集の手段がこんなに増えた今、その中で「本」を選ぶ人が減っていても、...
加藤千恵さんの短編・短歌集『ハッピー☆アイスクリーム』、高校生の頃に読まずに済んで本当に良かった。もし高校生の頃に読んでたら、あまりの共感に爆死していたと思う。それくらいに甘酸っぱい高校生の青春が、詰まりに詰まっている。...
そこはかとなく漂う不穏な空気。それをじわりじわりと感じながら、ときに一生懸命気づかないふりをしながら、読み進めていく。あちこちにちらばる気づきたくない伏線を、少しずつ回収して…… 『ボトルネック』は、主人公・嵯峨野リョウ...
以前勤めていた編プロのデスクは、いつもゲラまみれだった。しまうところがなくてデスクの上だけでなく、デスクの下、ロッカー、さまざまなところに積んでいた。 今はWebでのやり取りが増え、あの頃のように大量の紙に埋もれることは...
「CDT」は形といいデザインといい、飛び出している留め具(コレクションするのに便利!)といい、インパクトのある見た目をしている。表紙は紙を切り貼りしたコラージュのようになっていて「なんだこのZINEは!?」と一気に吸い寄...