「器」を楽しむための個人的参考書。購入場所や選び方、活用方法を学ぶ

「器」は、ここ数年すっかりハマっているものの一つ。お気に入りの器を見つけてはコツコツと集めている。好きな器があれば、料理も楽しくなるし、生活が豊かになる気がする。基本的には出先でいいなと思ったものを買うが、気になるショップや器の活用方法、組み合わせ方などは、さまざまな本を参考にしてきた。

『Casa BRUTUS』No.242 2020年5月号「うつわとごはん」

『Casa BRUTUS』No.242 2020年5月号(vol.242)のテーマは「うつわとごはん」。本誌にて器について改めて学んだほか、気になる商品もたくさん見つけた。

「人気のうつわ作家、7人の家ごはん。」では、うつわ作家の作品と料理の盛り付け方を紹介している。印象的だったのは、谷口 嘉(よしみ)さんのガラスの器。プロダクトっぽいかくかくしたデザインが可愛らしい。溶けたグラスを型に吹き込んでつくる「型吹き」という手法でできているそう。あるいは、二階堂明弘さんの錆器(しょうき)。鉄分の多い土を使い、酸化鉄を含んだ釉薬・鉄釉を塗ることで、独特の風合いを作り出しているという。

また、「料理で選ぶうつわ50」では、カレーや麺類など料理に合わせて器がいくつか紹介されていた。カレー皿では、水谷智美さんのラウンドリムプレートや田中信彦さんのドット皿、紺野乃芙子さんのレリーフオーバル皿など。どれも確かに、カレーを盛るイメージがはっきりと浮かんだ。

例えばルーに合わせてうつわの色を選ぶ。ブルーの釉にはグリーンや茶系が合うので、野菜たっぷりのオーソドックスなルーが似合う。赤みを帯びた皿には、黄色みの強いグリーンカレーが映える。ご飯も白米から雑穀米、サフランライスなどいろいろな取り合わせを試したい。

Casa BRUTUS 2020年5月号「うつわとごはん」

国外のメーカーが紹介されているのもありがたい。エチオピアの素焼きのコーヒーポット「ジャバナ」や南アフリカに窯元を持つ「Wonki Ware」のプレート、イギリス「クライヴ・ボウエン」のスリップウェア……ほかにも器にこだわる飲食店の紹介や、器が購入できる店も多数掲載されており、とても勉強になった。

遠藤文香『豆皿のある暮らし』

器屋さんで見つけると、ついつい立ち止まって手に取ってしまう豆皿。かわいい、集めたい。でも、うまく使えなさそうだから……と結局買うのを諦めるばかり。そろそろ勇気を出して買いたい、と考えたとき、遠藤文香さんの『豆皿のある暮らし』にて活用方法を学んだ。

まず、豆皿をたくさん並べるときは、「同じ柄や形で揃えなくてもOK」だというのは新発見だった。確かに、小さいサイズだからこそ“盛り合わせ感”があり、まったく違う柄や色合いでもある程度のまとまりができる。

そもそも料理を盛りつけなければならないというルールもない、と教えてくれたのも本書。盛り付けるものが思いつかなければ、箸置きにしてしまえばいいのである。箸置きなら何個あっても気分で変えられていい。「うまく使えなさそうだなあ」と泣く泣く諦めた豆皿たちも、箸置きにするかもしれないし、という大義名分で迎え入れている。

また、キャラクター皿も豆皿であれば、料理の邪魔をしないことがよくわかった。特に、料理が載っているときはキャラが見えず、食べ終わると「隠れキャラ」のように登場する演出がかわいい~!

ほかにも、和洋中ジャンル別の豆皿活用法や、豆皿を含めたテーブルコーディネートのコツ、さらには豆皿が手に入る店舗案内など、とにかく豆皿に関心がある人に役立つ情報がこれでもかと掲載されている。

「器」は手入れが大変なものもあるし、価格や置く場所を考えても、むやみやたらに買うわけにいかない。でも、だからこそ、いろいろ調べて、一つずつ集めて、使っていくのがすごく楽しいものでもある。これからも、お気に入りの器をじっくり集めていきたい。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。