新たな本の楽しみ方を発見! 『CREA』vol.347 「101人の本と音楽とコーヒー。」

気になる本は、できるだけ手に取って読むようにしている。たくさん読んでいると、自分の中でどんどん知識が体系的になっていって、そこに読書の面白さを感じる。

しかし、本の楽しみ方を私はまだまだ、知らないのではないかと思うことがある。きっと世の中には、私がまったく想像できないような楽しみ方をしている人がいるはずだ。今回、雑誌『CREA』のvol.347、「101人の本と音楽とコーヒー。」を読んで、一層そう感じた。

新たな本の読み方を知る

フジファブリックのインタビューにて、本の読み方の話があった。実用書が好きだという金澤さんは、同じテーマの本を三冊並行して読むという。

だいたい同じような内容なんですけど、微妙に違うことも書いてあるんですよね。それで、「この3人の言っていることはわかるが、僕の意見はこうかもしれない」と僕の考えを4つ目の意見として追加して。
(中略)全部読んで、矛盾点を探して、「みんなが言いたいのはこういうことだろう」と結論を出す。1冊じゃ納得できない、疑っちゃうクチなんですね。

『CREA』vol.347 2018年11月号 101人の本と音楽とコーヒー フジファブリック「三人三様。偏愛読書のルール」

これは先に述べた、知識を体系的につなげていくことを、意図的に行っているケースではないか。初めから自分にとって必要な知識の網を作るために、複数の本を並行して読んで考える。効率的でユニークな読書方法だと感じた。順番に読んでいくより、同時並行して読む方が、リアルタイムではっきりと「ここが違う」「ここが共通している」というのがわかる気がする。

本を処方箋と心得る

「全国の名書店員さんが処方する 悩みに効く本70冊」では、悩みに応じた本を紹介するという企画が実施されていた。私も本にたくさん助けられてきた一人である。いろんな本が処方されている中、個人的には花田菜々子さんの回が好きだった。

浪費を止められない、という悩みに対しての回答として「浪費のむなしさを満ち足りた喜びに変えて」とアドバイス。さらに浪費を肯定する『浪費図鑑 悪友たちのないしょ話』を紹介したほか、『いい感じの石ころを拾いに』のようにお金を使わない幸せについても提案していて、浪費=ダメ、としない意見が素敵である。浪費って別に、悪いことではないんだよなあとしみじみ……自分の稼いだお金を自由に使うこと自体は、素晴らしくて幸せなことである。

世の中にはいろんな人がいる。自分のコンプレックスや悩みに感じていたことを、ポジティブに捉えている人もいるのである。本は他人の意見を知れる手立てだからこそ、悩みに寄り添ってくれるものも多いのだと知った。

名作に勝手にサントラをつけてみる

お気に入りの本と音楽、コーヒーを聞くだけでなく、本とコーヒー、本と音楽、音楽とコーヒーの組み合わせから成る企画も面白かった。

特に小説に勝手にサントラをつける企画はわくわくした! 好きだったのは吉本ばななさん『TSUGUMI』のサントラ。

各章ごとにテーマソングをつけているのだが、ハナレグミやくるり、キリンジ、クラムボン、星野源、スピッツなど「わかる」と言いたくなる曲がずらり。スピッツの「つぐみ」、くるりの「Baby I Love You」が染みました……

好きな本を読む。それ自体がこの上なく楽しく幸せであることは大前提として、他の本と読み比べてみたり、自分の人生の糧にしてみたり、想像を広げて新たな創作につなげたりすることもまた、面白くて幸せなことだと思う。私もまだまだ、本の楽しみ方を広げていきたい。

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襟田 あいま
食べること・読むことがとにかく好き。食と本にまつわる雑感を日々記録しています。